続・貨車のわだい。

台車の材質では、
デルリン(プラスチックの一種)製→ドロップ製または良質のダイキャスト製→悪質のダイキャスト製
の順で走りが悪くなるようです。ピヴォット軸受けの角度は大きいほうがいいでしょうが、あまりやると強度の問題があります。軸受けメタルを改造で嵌め込んでみたこともありますが、これについてはあまり効果はないです。
KATOの台車は、0.7㎜ほどの太さのプレーン軸をデルリンの台車に嵌め込む、ユニークな構造をしています(下写真)。

接触面積が大きいため、軽い潤滑油として、タミヤの接点グリスをつけて馴染ませたところ、非常によく転がりました。見た目車輪の踏面とフランジの間のフィレットを大きくとってあるように感じられるので、それもあるかもしれません。
他の貨車は、たいてい重りを積んだうえで軸受けにわずかに二硫化モリブデングリスを入れてあります。

インターマウンテン社のボールベアリング入り車輪が売っているのを見つけたため、それも使ってみました。
構造は、中央の車軸(ピヴォット軸)の両端にベアリングが入り、その外側に左右の車輪が一体になった筒が被さっている感じ。車軸が2重になっているわけです。

結果はまあ予想通り。ピヴォットとボールベアリングの比較以前に、そもそも精度がよくないようで、よく見ると揺れながら走っています。それでなくても、コスト・効果ともに、HOの場合は適度に潤滑油の入ったピヴォット軸のほうがよいようです。
ボールベアリングの特徴として、動き始める時の抵抗が小さい、走行中とほとんど変わらない、というのがあるが、それは連結器の隙間を詰めてから発車するというような運転上の工夫で解決できるし、むしろそのほうが楽しいと思います。
しかし、重くするほど中の潤滑油の撹拌抵抗が無視できるようになり、結果として重くしても走行抵抗がそこまで変わらない、というメリットはあるので、これを利用し、重りをしこたま積んで、編成の最後尾につけると、停める時に慣性が大きく後ろから押してくれて、連結器の間が詰まるので、HO用のlo-D車輪ができるまではしばらくこの役目を果たしてくれそうです。
いろいろあーだこーだと試行錯誤を繰り返したおかげで、かなり走行抵抗は下がりました。
5両のブラス客車(ピヴォット、潤滑油なし)で空転して動けなくなる貧弱なプラ製の機関車でも貨車(昔のブリキ・ブラス製含む)23両平気で牽けるようになったのです。牽引力がない、というのは、牽かれる側の責任も大きい、ということが理解できます。